ペルソナ4

久々にゲームをクリアしました。社会人となるとなかなかゲームやる時間も取れないで気付いたら一周クリアするのに半年もかかってしまいました…

ペルソナ4

ペルソナ4

親の仕事の都合で都会から地方にやってきた主人公が、転校先の学校で夜中の十二時に映るという「マヨナカテレビ」の噂を聞き、そしてひょんなことからテレビのなかの世界に入れるようになって友人たちとともにそこに関連する起こる事件に関わっていく…というのがストーリー。

とにかくゲームシステムのバランスが素晴らしい。このゲームでは、登場人物と仲を深めることでよりゲームを有利に進めることが出来る「コミュニティ」という制度、主人公のいわばジョジョでいうスタンドにあたる、特殊能力をもった存在であるペルソナを他のペルソナとかけ合わせていく事で更に強いぺルソナを生み出すことが出来る制度、そしてRPG部分であるテレビの中の世界がどんどんより深い階層へ進んでいく構造をもつ、つまりときめきメモリアルドラクエモンスターズトルネコの大冒険のいいとこどりのようなゲームなのです(無理やり)

特筆すべきはコミュニティ制度の部分ではないでしょうか。学園生活を送る中で周りの友達やら知り合いなどと交流を深めていくことができるんですが、これがまた「ああこんな高校生活俺も送りたかったなぁ」と思わせてくれます。登場人物が何かしら一つは心に抱えてる問題があってそれが主人公と話していくうちにあれよあれよと氷解していくと。チクショーうらやましいなーとか思いつつも地元の祭りやら修学旅行やら楽しいのでなんだかやめられない。社会人一年目としてはもう決して戻る事が出来ない学生時代が切なすぎて心が痛く、そしてこっちの部分が楽しすぎてRPGを進めることが出来ませんでした。ちょいちょい話すぐらいでどんどん仲良くなれるんだったら俺なんでこんなに苦労してるんだよ…と思えば思うほどこっちの世界にハマっていって睡眠時間がどんどん削られて翌朝睡眠不足で出勤してミスして上司に怒られてまたストレスがたまって…という無限ループ。

上記のようにさまざまな要素がバランスよく組み合わさったゲームなのですが、その勝因はそれぞれの要素が凝り過ぎていないことにあると思います。ときメモの如く女の子たちと仲良くなれても、そこまで萌えに走っている訳でもない。また、RPG部分でも主人公が倒れたら終わりだったり属性の弱点をつくとタコ殴りできたりする独特のシステムをもちながら、そこまで難易度が高いわけでもない*1。つまり、容量を詰めることなくそれぞれをいい塩梅に置くことで全体的なバランスをとっているのがうまいこと作用していると感じました。

ただ思うことが、物語がクライマックスに向かうに従って登場人物の発言がやや説教くさくなるきらいが。巨悪に対してこちら側の人間が正義を説くのはまぁ正道ではあります。しかしながら皆の「こんな奴絶対許せない!」で押し切ってしまった感があるのはまぁ対象年齢低めのゲームかなぁと感じざるを得ませんでした。だってほら、自分にとって許せない事でも許容せざるを得ないことってあるしねぇ、と社会人1年目の私は汚れてちまった悲しみに暮れるのでした。というか人間社会の底に潜む俗悪さに対して「これこそが正義だ!」と言い切る事で相手を制しようとするのはまた危険を生むと感じてしまいます。また、登場人物の大体が「やっぱり地元が一番だよね」といって落ち着く先に落ち着くのは、まぁ間違っちゃいないけどどうなんだろと。サンデル教授よろしくコミュニティを重視するのは最近のトレンドとは思いますけれども、地元を捨てた身としては微妙な心持にならざるを得ません。オタクに喜ばれていた漫画であるワンピースがいつの間にかヤンキーの車に飾られてる関連グッズナンバーワンになってるのをみるのと同じ気分になります。そりゃ地域の善を推し進めること自体は根本的には合ってるけど、それは地元のことを守りさえすればオッケーという盲目にもつながるからな…

しかしながらやっててすごく楽しいRPGだったのは事実。社会人になってからの半年間、菜々子ちゃんが心の支えであったと言っても過言ではありません。あんな子が実際いたら二十万は飛んでるわホント…PSvitaでのリメイクも決定し、アニメも今秋より開始、さらに格闘ゲームも発売する(!)らしいので、このコンテンツが盛り上がるといいですね。

*1:ハードモードはある