三日目
予定
朝八時ごろ起きる。支度してまったり朝食をとりつつ今日どうしようかなーと考える。昨日説明を受けたツアーにはもう参加できないけどそのツアーの内容に沿って地下洞窟へ行ったり、ユフララ渓谷に行ったりするか、それともこの辺、カッパドキア北部辺りをさらに詳しく回るか。迷った結果北部を回ることに。部屋に戻って出る準備をしてまだ他の客が朝食をとっているなかチェックアウトする。いきなり来て英語もたどたどしい俺なんかを泊めてくれてありがとう。
というわけで今日は、ギョレメより西にあるユルギュップというところに向かい、そこからゼルヴェ野外博物館、そして奇岩の要塞ウチヒサルを見てからネヴシェヒルに戻って明日の目的地への深夜バスに乗ることに。
ギョレメ〜ユルギュップ
ユルギュップへのバスの発車時刻を聞いてみるとまだ時間があったので、ギョレメにて時間を潰す。
トルコはスイーツも見逃せない、ということで食べてみたプリン。しかし鬼のように甘い。練乳食べてるみたいだった。4TL。
しかしガイドブックに「バス停」と書かれている場所で待っていても一向にバスが来る気配が無い。たまたま会った日本人の人に「バス来ないんですよねー」と言うもあっちも分からない、といってあっちの目的地行きのバスにいってしまった。大丈夫なのか…?と思っていたら、予定時間きっちりに来た!
バスの中では、運転手のほかに料金徴収人みたいな人がいる。最初「ユルギュップ?なら2リラね」といわれておぉー親切に値段を教えてくれてありがとう、後で運転手に渡すわーと思ったけれども2リラ寄こせってことだったのね。うーん異文化。しかしその徴収人がニートみたいないでたちで「NO.1 walking champion」とか書いてあるTシャツを着てたのはギャグか何かだったんだろうか。
ユルギュップに到着
ここで事前にバス会社では荷物預かりもサービスでやっている、と調べておいたので3リラ払って預ける。そしてユルギュップからゼルヴェ行きのバスが出ているらしいので警備っぽい人に聞いてバスに乗り込む。いざ出発。
…ギョレメ博物館?え、何でこのバスギョレメ戻ってんの!?このバスギョレメ通過するってこと!?じゃあユルギュップ寄った意味なかったじゃん…バス代と時間損した…ユルギュップに荷物預けたからまた行かなきゃならないし…
ゼルヴェ野外博物館
ここゼルヴェ屋外博物館は広大な大地のなかに峡谷を含み、さらにその中には岩窟教会や住居があってそこを見学できるという素晴らしい場所。とにかくスケールがでかくて開放感がケタ違い。波崎いきいきランドとはわけが違うね!
見渡す限りの奇岩の岩山。そして青空。乾燥した空気が気持ちいい!
こんな風になかにも入れる
そして中に入って突き進んでいくと…
穴が。さらにその穴の先には…
崖。トマソンかよ!
他にも素敵すぎる景色がたくさん。思わず写真をパシャパシャ撮りまくってしまった。
確認できたフレスコ画っぽいやつはこの二つ。当時の人の生活の痕跡が残っているってことは素晴らしいことだ。
ツアーとかだとここは一時間ぐらいで済ませるところらしいが、三時間近く滞在。おなかいっぱいです。
ついでにバスを待つ間レストランで腹も満たす。木漏れ日の下でチーズが乗ったピザを食べていたらここがトルコだって言うことを完全に忘れてました。あとここのウェイターさんにはバスを止めてもらったりいろいろ世話になった。
ユルギュップに戻り荷物を受け取る。すぐにウチヒサル行きのバスへ。話を聞いてみると、直接ウチヒサルに向かうわけではなく途中で降ろされてそこから歩いて向かえ、ということらしい。若干の不安はあったものの、やってみるか、という変な冒険心に突き動かされて行くことに。
ウチヒサル
ユルギュップから四十分ほどバスに乗って、「ここで降りろ」といわれ降りたのは見渡す限りの荒野。
グーグルマップだとこの辺
こんなとこ西部劇でも見ないぞ…と思いつつバックパックをしょって2キロの道のりを行く。
右手に見えるのはピジョンバレー。
そして歩いて40分ほどでウチヒサルの要塞の下の町のあたりに着く。
ひたすら荒涼としている。けどこの孤立した感じは嫌いじゃない。この町の雰囲気は何故か辺りを土で囲まれていながら港のような感じで好きだ。
銚子の外川辺りに近いものを感じた。風土は全く違うのにね。
後はひたすら要塞に向かって歩く。
そして中へ。入場料が3リラに値上がりしている!ガイドブックと違う!
十分ぐらいで頂上へ
ここからの風景は凄い。カッパドキア全体が見渡せるんじゃないかという思う位。ここまで広い大地をかつて自分は見たことがあっただろうか。
雲の影がくっきり見える。写真じゃいまいち伝わらないかもしれないけれどこんなのが360°全部観れるんですよ!
空が青いのはどこも同じなんじゃないか。そう強く感じた。
ネヴシェヒルへ
ウチヒサルを降りて次どうしようか考える。
pharmacyって、おもに発毛剤を扱っているようですね。
小ネタ探している場合じゃなくて、ガイドブックに載っている深夜バスの時間は夜8時。それまでにはネヴシェヒルのバスターミナルにいなければならない。この時点で午後五時半。厳しいためタクシー使おうかと考えたけど25リラと言われだったら2リラとかでいけるバスのがいいよな、ってことでさっきバスに降ろされた地点へまた向かうことに。
ここで待っているとかなりの不安が襲ってきた。第一ここにバスストップっぽいものはない。バスに乗っている最中現地の人がテキトーな場所で待っててそれをバスが拾うのは見ているものの、はたして自分もそれが出来るのか。そしてバスっぽいものは一台も通らない。しばらく待っていると、目の前で車が止まりおにーさんが降りて何かしている。するとすぐにトラックが止まって7〜8人の人が降りてきた。
「やばい、強盗だ」
気が付いたら思いっきり引き返していた。帰ってウチヒサルでタクシー頼もうとしたのだ。そして振り返ってみると
あの地点でバスが人を降ろしていた。
「バス待ってぇー!」と日本語で叫びつつも乗客を降ろしたバスはもう発車しそうになっていた。やっぱ無理か…と思いまた引き返そうとすると
「ヘイニホンジン!」
との声が。何と降りた客がバスを引き留めていてくれていたのだ!その人にひたすらサンキューと言ってバスに近づく。「ネヴシェヒル?」と聞くとバスの人は黙ってうなずいた。乗りこんでことなきを得る。よかったー。
座席に座っている間、カッパドキア最後の風景を楽しむ。夕暮れが切ないのはどこも同じなんだなとか思っていると「ネヴシェヒルの人、降りるよ」と言われる。慌てて降りると
見知らぬ土地。ココドコー?俺の知ってるネヴシェヒルじゃないよ!と思いバスの人に聞くも「オトガル(バスターミナル)はあの辺」とテキトーな言葉しか返ってこない。おそらくここはネヴシェヒルに違いないんだろうけどオトガルしかわかんないよ。どうしよう…と思っていると、一緒にバスをおりたニーチャンが詳しく道を教えてくれた。その後も迷って工事現場の人にオトガルオトガル言いながら道を尋ねて、ようやく地図に書いてあるスーパーを発見。で、ここを左に曲がればいいんだな…と曲がった先には凄い景色が見えていた。
太鼓と笛が鳴らされ、人々は踊り、そして時たま胴上げされてからバスに詰め込まれ、皆の拍手で見送られている若者たち。何の騒ぎだろう!?
今夜の深夜バスを手配してくれた客引きの人に聞くと、「military ceremony」とのこと。なるほど徴兵の前のお祭りか。しかしバスが出れなくて迷惑だし警察までいる。いつまでも終わる気配がないな。
近くに行ってもっと写真を撮ろうとすると
「俺を撮れ」と言わんばかりに近づかれる。
この太鼓のオッサンには後でチップをせがまれます
ちょっと時間があったのでなんか面白いものを探しにスーパーに行く
でも特にそんなのは無かった。普通に水を買って出る。
そしてオトガルに帰る。まだ祭りは終わってなかった。これは自分のバスが出発する時までもやってました。(動画も撮ったんだけどうまくアップできませんでした。)
そして今夜は深夜バスにて就寝。初めての経験。バスの中の世話人的な人は、これまでオッサンとかだったんだけれども今回はイケメンだった。
ぶれててわかりづらいけど、マンチェスターユナイテッド顔だね。隣のフランス人の家族とも打ち解け、テレビに映るドラマやサッカーの試合などを見る。お、イケメンがサッカーの試合に釘付けだ。やっぱり興味があったか。
そのうちバス内が消灯になり、真っ暗な車内とオレンジ色の電灯に照らされた外の風景が異様なムードを醸し出している。ドキドキが止まらないぜ!異国の夜を走るバスに揺られて旅は石灰岩で有名なパムッカレへと続きます。