開場時間にちょっと遅れてzeppに到着。

ドリンクやらロッカーやらTシャツやら用事をこなしているうちに開演時刻間近になる。
というか人が多い!wilcoファンってこんなにいたのか!?いるならここにいる千分の一でいいから俺の日常生活にも現れてくれ頼むから!(泣)とかいうことを考えつつ開場の真ん中あたりで待つ。

十分ぐらい遅れて登場。うーんやっぱり華がある。かっこいいなぁ。
そんで最初"wilco(the song)"。高揚感がありながらゆっくり空気を作っていくような、まさに幕開けにふさわしい曲。
でもライブだと一段とダイナミックだと感じる。中盤メンバー紹介も交えてつつ終了。nelsが暴れてて最高のライブになることを確信させてくれる。
んで"bull black nova"。美しいメロディから始まり、最後はノイズでカオスに終わる、今のwilcoらしい曲。さらっとやってますけどすごい事やってますよコレ!出だしはこんな感じ。

"i am trying to break your heart"の出だしが鳴っただけで思いっきり「ヤンキー〜」の世界に引きずり込まれる。そしてjeffの歌声。温かいなぁ。泣けるなぁ。glennの片手間鉄琴も堪能。

"one wing"いい曲。最後のノイズっぷりがカッコいい。最新アルバムはカントリー直系の美しいメロディ→ノイズで締める曲が多くていまいち乗り切れなかったけどライブだと違和感が無い。むしろwilcoにしか出せない統一した世界観として受け止められる。そんなことを感じた。

"shot in the arm""at least what you said"この二曲はライブでは鉄板。"radio cure"はスタジオ盤で一番最初に好きになった曲なんだけどライブ盤聴いてがっくりした経験があった。けど生で実感するとかなり録音に近くて嬉しい。深海の底でひっそりと耳を澄ますイメージ。

"impossible germany""via chicago"ハイこの流れが今日一。特にシカゴの途中の暴れっぷりと静謐なカントリーメロディの間を行ったり来たりする感覚はもうwilco特有のものだし、あの六人、特にglenn抜きじゃ考えられない。どうやってあんな展開考え付くんだよ…

"poor place"一番聴きたかったナンバー。でもちょっと平坦すぎたような。でも全然気にならない。もう全体が最高だから。

"spiders"カッケー!!途中nelsとjeffがギターかき鳴らしまくるアレンジにしてあってカッコよかった。あとちょっとシンセが入ってちょっとrovoっぽさを感じた。実際踊ったけれども(笑)あのハンマービートを叩き続けるglennって何者なんだ!

"jesus etc"全力で歌いました。周りの方すいません。でも切ない歌詞の割には歌ってる皆が笑顔だった。ここにいる全員最高。

"I'm always in love"一番びっくりした曲。オフィシャルのリクエストで上位に挙がってたけどまさか実際にやるとは思わなかった。かなり好きなので嬉しい。ライブでも爽やかさが表現されてていいね!

"heavy metal drummer"良かったー。ジムオルークが来てることに触れて、この曲をやるとあの頃を思い出すとか言ってたなぁ。

"hate it here""walken""I'm a man who loves you"いやあのー、すいません。これらの曲普段飛ばしてるのばっかりで。すごーくいい曲で楽しかったです。wilcoにはアメリカーナの血が流れていて、それが一番出ていると感じました。骨太なサウンドですっかり楽しんじゃいました。本当に幸せを感じた。最後は"I'm a wheel"パンキッシュで幸せ。

思ったより多幸感にあふれる内容だった。何だろう、アメリカカントリーの繊細さと現代的なノイズの融合の果てに聖域があった感じ。今そんなことを出来るのはwilcoだけだと痛感。あの鉄壁のアンサンブルは容易にできるものじゃないって。自分が洋楽聴く理由に「日本内じゃ聞けない、文化の違いからくる差異を感じることが出来るから」っていうのがあるんだけど、wilcoはまさにそれ。こんな音楽を体感させてくれるアーティストは日本にはいない。更に言うなら「文化が違っても考えてること、感じてることが同じだと感じることが出来る」っていうポイントもあるんだけど、それを満たすのはjeffの人間性なんだろうなと。そしてその人間性を歪みなく増幅させる様な音世界を体験することが出来た。

あと一時間、十曲ぐらいやっても良かったと思うよ個人的には。whatlightとかpotkettleblackとかtheologianとかcarliforniastarとかmondayとかhowtofightlonelinessとかさ。特にtheologianはteenage fanclubのdon't look backと共に俺の就活テーマソングになっているというのに。でも泣くっていう雰囲気でもなかったので不思議と後悔は無い。心の栄養もらった感じです。客層の良さもあの暖かい雰囲気に貢献していたと思う。素晴らしい空間だった!

メンバー感想。

  • jeffのmcがまんま「sunken treasure」で喋ってた様な内容で笑った。「シャラップ!」とか言ってアメリカ人散々いじってたけど、日本好きになってくれるといいなぁ。
  • johnのベースの音は心に溶け込むような音だった。素適すぎた。
  • nelsカッコいいよう。テンション高そうで何よりだった。俺のギターヒーローになった。
  • jorgensen地味だった。でも唯一の見せ場だった"a shot〜"を俺は忘れないぜ。
  • patもカッコよかった。白いテレキャスターが似合いすぎ。マラカス振る様も。
  • glennは意外とパワフルなドラマーで意外だった。でもそれぐらいじゃないとあの曲群出来ないなと実感。でも途中のあのアクションでは「天才ロックドラマーは結構性格がアレ」の法則を外さないものなのかなと。

全員最高ということですね。すごい経験をした。絶対にまた来てくれ!
wilco is my savior!