まーた先輩に説教されたよ

昨日野球サークルの追いコンに行ってきた。ボーリング大会、卒業を祝うために皆で撮った映像の放映会なんかを終えた後は当然のことながら飲み会へ。前半盛りあげに参加し、後半ギブアップした人間の海に埋もれながら携帯で2chしたりして一次会終了。

それでバーでの二次会に参加した時のことなんだけど、自分は自由主義者だと言い、じゃあ俺の研究と近いっすねーいつか一緒に話しましょうよーと自分も言っていた史学科の先輩と一緒になったため話題はそのこと中心に。

「お前のリベラリズムって何なの?」って聞かれたんで、こう答えた。自分はロールズの思想を基に社会道徳を突き詰めたい。で、彼の主張は何なのかというとそれぞれの成員が自らの地位や職業について無知で発言権だけ与えられた会議の状態を想定すると、二つのルールが導くことが出来る。


一、各人が平等に自由に対する権利を持つべきでであること。
二、不平等は一番恵まれない人に最大の利益になる時でのみ認められるべきであること。そのためには累進課税の様な再分配も行われうる。


そして道徳というものがはっきりしない現在の状況で、このルールを基に社会倫理を分析できるか、またこの思想をもとに皆が生きやすい社会を作るために何か言えるか。そういうことを追い求めていきたい。

ということを言った。まずもともと喋っていた上記の先輩からは
⑴何で一番恵まれない人に再分配を行わなければならないのかが分からない。⑵俺の勉強したリベラリズムとは違う。リベラリズムって自由第一主義なんじゃないのか。定義があやふやだ。
と反論される。

また、もう一人先輩が参加してきて
⑶最低限の保障じゃだめだ。金持ちは弱者のことなんか何も考えていない。社会競争を認めていては働きたくても働くことが出来ない人は救われない。⑷そもそもその論が実証できるのか。歴史学専攻の俺からすれば事実で立証できないものなどクソだ。
と半ばキレ気味に言われる。

その後色々反論するも、「じゃあ歴史学の言う事実ってなんなんすか。その事実だって人の言ったことを基にした史料だし、実証主義に基づいた論だって、先輩が哲学を非難する時に言う『壮大な仮説』じゃないですか」と言ったところで二人目の先輩激昂。「史学は違う、詳細な理論に基づいてるんだよ!」「卒論書いて無いお前に何がわかんだよ!甘めーんだよお前は!」と散々。続いて、寝ないで書いた俺の卒論は言いたいこと教授に半分以上削られた。理不尽な理由で怒られながら。あいつマジ…等のことを言われる。別の先輩がその場をなだめた後、最後は全員が就活生に対して「自分の芯をもて!」「自信を持って行け」と激励して終わり。何だったんだあの追いコン。

とりあえず、昨日の経験を活かすためにも、それぞれの反論に対する俺からの回答を。
⑴それは自分の立場が社会のどこにいてもいいようにするべきである、とするルールは自然に導かれる。どんな金持ちでも自分がいつ最も恵まれない立場に陥るとも分からないから。それと自由主義とは言っても何もかも自由という立場なんてあるのか。
⑵それは自由主義の直訳のリベラリズム。つまり古典的自由主義で、現代だとリベラルに対抗したリバタリアニズムの立場。歴史的展開でそういう経緯があるのに「お前の定義を押しつけるな」とか言われても困ります。→wiki
⑶競争自体は必ずしも否定されるべきものではない。社会主義が失敗したのはひとえに、頑張って働いても怠けても給料一緒って考えのせいで成長するの止めちゃったから。金持ちの件に関しては、だから俺も格差を是正するのに賛成なんだけど何で怒られたんだろうか。「最低限」という言葉だろうか。
⑷俺の哲学の方法論が正しいかどうかは分からないけど、少なくとも結構な大多数から賛同をもらえれば論として成り立つのでは。というか史学の方法論をゴリ押しされてもそもそもの目的が違うんだけれど。こっちは実証主義ありきの学問ではないし。


全然不完全だな俺。

以下感想

  • 異学問間の溝は俺が思った以上に深いのかもしれない。
  • 分かりやすい説明が出来る人間になれ俺。
  • 大学職員になる自信無くした。生徒レベルですら反論してくるのに、それ以上に厄介な教授を相手にしなければならないのか。
  • 某国立大学の史学科はシグルイなり。主査の講師優しいし、割と自分のやりたいこと出来ている俺は恵まれているのかも。

このエントリが当事者にバレないことを祈る。それでは。