一日目 

成田へ

前日から実家の波崎に泊まる。当初は自分の車でつくばから成田へ向かおうとしたが、駐車場代がバカにならないうえに、疲れが溜まった状態で運転したくない、という気持ちが強かった。幸い、親が「空港見たい」というので乗せてってもらうことに。すいませんいつも。

空港に入る道にて親が思いっきりUターンしようとするなどトラブルもあったが、空港に無事到着。出発の二時間ほど前。

普段引きこもっているせいもあってか、空港内は別世界のようで新鮮に感じられた。早速チェックインしようとすると何故かトルコ航空のとこだけ行列が。何故?おまけに出発も遅れるとの情報が電光掲示板から。大丈夫なんだろうか。

チェックインした後、父とフードコートにてそばを食べて別れる。パスポートチェックを行って中に入って、免税店を覗いたりした後手持ちの円をトルコリラに両替しようとしてインフォメーションに調べてもらった銀行へ。しかしここでちょっとした事件が。四万円渡して帰ってきたのが480リラ。あれー出発前に確認しといたレートだと1リラ60円前半だったから600リラは固いと思ってたんだけどなーと思い店の前の掲示板を見たら1リラ80円とある。これで約8000円の損。チクショウ二日分のバイト代が…まさか日本国内でぼられるとは思ってなかった…

気を取り直して搭乗口へ。しかし予定時刻を過ぎても搭乗が始まらない。

機内

結局当初の予定より一時間半遅れて出発。

ここから12時間のフライトとなるわけだけれども、機内はサービスが充実していて楽しく過ごせる。特に音楽をいろいろ聴くことができるのがいい!キュアー、ジミヘン、ビートルズU2なんかを聴く。宇多田ヒカルワールドミュージックのカテゴリーに登録されていた。トルコの音楽も聴いとくか、と思い「Turkish spiritual」なる音楽を聴いていると、mercan dedeというアーティストが引っかかる。どっかで聞いたことある名前だなーミューマガとかで紹介されてたやつかもしれん。


「何飲みますか?」と言われて迷わずビールをチョイス。トルコで一番メジャーな銘柄のやつらしいけど味は黒ラベルにしか感じなかった。


機内食パシャパシャ撮ってたら白い目で見られた。海外初心者ってモロバレ?

そこそこ素敵な機内。いつのまにか寝ていました。そして起きてしばらく経つと窓の下に夕日に赤く染まった大地が。

うわー俺海外に来たんだなーと実感。

イスタンブールへ。そしてミッドナイト・ラン

夜八時イスタンブールのアタテュルク空港に到着。荷物を忘れそうになり慌てて受け取ってから空港の目の前の地下鉄の駅へ。しかしトルコの人は車がガンガン通っている最中でも平気で道を渡ろうとする(一番目のカルチャーショック)。駅にて切符代わりの硬貨を受け取ったはいいもののうまく入場できない。やっと乗れて市内へ。しかしこれからの道のりを思うと気が遠くなる。何故ならここから地下鉄→路面電車→フェリーと乗り換えて、アジア側のハイダルパシャ駅に行って寝台列車の切符を買わなければならない。列車の出発はガイドブックによると十時半。二時間ほどの間に移動を済ませなければならない。しかも「人気席なので要予約」と書いてあるが、もちろんそんなのしていない。果たして時間までに駅に着く事が出来るのか?着いたとしても席は取れるのか?取れなかったら今夜の宿はどうするのか?不安はたくさんあったが、冒険心の方が勝っていてテンションはハイ。

地下鉄と路面電車の乗り換え駅で「あのー切符(みたいな硬貨)無くしたんですけどどうしたらいいっすか」と聞くと無表情のまま窓口を指差される。何のことだか最初はわからなかったがどうやら「もう一度買え」ということらしいとわかったのはだいぶ後。どこの国も都会人は冷たかねーと思いつつ電車に乗る。窓からイスタンブールの市内が観れたので見とれる。思ったより雑多な街で、ヨーロッパとか言うよりアジア色が近いな、と感じた(香港みたいな)。

路面電車を降りて走ってフェリーの駅まで向かう。しかしちょうど目の前で出発してしまった。次の便の出発は十時。間に合うのか!?


(待ってる間暇だったので撮った写真。カラキョイ桟橋近くにて)

フェリー到着。

これに乗ってアジア側へ。

15分後、ハイダルパシャ駅に到着。

ロビーにてどうしていいかわからずうろうろしていると、おじいちゃんがよく銀行とかでありがちな順番待ちの券を取ってきてくれた。そして自分の番。

アンカラ・エクスプレスの席ありますか!?」と聞くと等級は?と聞かれる。よっしゃー席取れた!と確信。その後「Three?」と聞かれて、何が3なのか分からないまま「Yes!」と答えて無事チケットをゲット。ダッシュでホームへ。乗る電車を間違えながらも、駅員さんの助けもあり何とか乗車に成功。チケットの発券時間を見たら22:27とか書いてあった。生きた心地しねぇ…

というわけで素敵なアンカラ・エクスプレスの車内

この後駅員さんがやってきてイスをパタンと倒してベッドの完成。人生初チップも無事成功。いやー疲れた疲れた。

そしてしばらくまったり過ごす。子供のころから親の里帰りとかで寝台特急使う機会が多かったせいかこのベッドのある電車の雰囲気が大好きだ。凄く落ち着く。


旅情だね。海外旅行というより、出張旅行の帰りのソレに近いけれども。かくしてトルコの旅の、嵐のような一日目は終わった。この日なかなか寝付けなかったのは、電車の揺れのせいだけではなく、これからの旅のことを思うと期待と興奮と不安が入り混じっていた気持ちになってしまうからであった。なにせ予定ではずっとこんな感じなのだから。