Jay Bennett
ウィルコの初期メンバー、ジェイ・ベネットが死んだ。
ウィルコ(Wilco)の初期メンバー、ジェイ・ベネットが死去 - CDJournal ニュース
正直言ってウィルコは「ヤンキーホテル〜」でファンになったクチなので、自分は正面から追悼をする権利はないのかもしれない。
それでも、何もできないのはもどかしいのでこのところずっと「ウィルコ・フィルム」を観ている。
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内容について詳しく説明するのは避けるが、それでもこの映画の中でのメンバーの姿は見ているだけで痛々しい。さんざん苦労して作った作ったレコードがレーベルに認められず、レーベルをクビになる。この先どうなっていくのかわからず不安であろう心境の中で行われるライブは見ている方にも緊張感を感じさせる。
結果これがジェイの最後のライブだと思われる。そしてジェイはバンド内のいざこざから脱退し、ウィルコとは別の道をたどる。その後の結果は周知の通り。アルバムは認められウィルコはアメリカを代評するバンドになり、ジェイはいわゆる「あの人は今」状態になったわけだ。
どうしようもなく人と人とはわかり合えない。それは映画の中でのバンドとレーベル、ジェフとジェイ、そして晩年のジェイと周囲、あるいは自分と自分の見えないところで誠実に活動を続けているミュージシャンにおいてもそうなのかもしれない。個人で可能なコミュニケーションなんて言うのもたかが知れている。それでも理解しあえる可能性を捨てきれないんだよな。死んでからじゃ何もかも遅いんだけど。
最後までジェイとメンバーとは和解できなかったようだ。裁判の最中だったそうだし。才能溢れる人で、彼がまたウィルコでプレイすることを夢見ていた人も多い。ステージの上で弾けた演奏をしている彼を見るのは嬉しいと同時にいたたまれないこととなってしまった。
ご冥福をお祈りします。
ジェイと決別した後の、ニューヨークでのメンバーの姿。これを見ると、大学受験の時山手線に乗ってMDから流れてくるyhfを聴きながら外の景色を眺めていたのを思い出す。二年前、自分もこの中のジェフみたいな顔をしていたんだろうか。